医療保険は必要か?

資産形成・保険・住宅ローン

医療保険に対するニーズは高く、「加入するのが当たり前」という流れにあり、保険会社も2~3年ごとに新商品へのバージョンアップを投入するなど競争が激しいだけに、商品選びも難しいと思います。そこで当記事では、医療保険の考え方や、そもそも必要なのか?も含めてお伝えします。

この記事でわかることは以下の通りです

✅医療保険が必要かどうか?の判断が出来る

✅公的医療保険制度で守られていること

✅医療保険の落とし穴

医療保険を見直ししたくて。。

SHISHI
SHISHI

そうなんですね。ちなみに、何のために医療保険に入っているのでしょうか?

そうですね、入院や手術をしたときにお金に困らない為ですかね。

SHISHI
SHISHI

そうですよね。ちなみに、どれくらいお金がかかる想定なのでしょうか?なのでしょうか?

ん~、それは・・・

医療保険は、病気やけがで入院が必要となるときに役に立つもの。かといって、必要以上に入ることは家計の支出の重荷なり得ることから、この記事を読んで適正な備え方を考えてみましょう。

1.必要なもの以外入らない

自分にとって必要な保障(医療保険に求める効果)の取捨選択が、適正な医療保険(保険料負担)を選ぶポイントになる第一歩となりますので、しっかりと押さえておきましょう。車の購入や住宅購入、家電製品の購入の際のことを思い出してみてください。より便利な機能がオプションで用意されており、当初予算がオーバーしてしまった。。結構あるあるの話ですよね!(私もあります)

1-1 そもそも医療保険は必要なもの?

医療保険の目的は、病気やケガで入院や手術をしたときに、公的医療保険制度で賄いきれない自己負担分(医療費の自己負担分+差額ベッド代+食事代+雑費)を備えるというところにあります。よって、いざ入院や手術を行うことになった際に、医療費の自己負担分が公的医療保険制度でどれくらい賄えるのか?を知る必要があり、それを知った上で、かつ、貯蓄で賄いきれない可能性があるという判断をされるようでしたら、医療保険は必要ということになるでしょう。

1-2 必要な保障って何?

医療保険の目的は、病気やケガで入院や手術をしたときにかかる、自己負担分を医療保険からの給付(受け取れるお金)で賄うということになりますので、どういったときに?いくら?受け取れるのかを知ることで、必要な保障だけ準備することが可能となるでしょう。

2.社会保障を前提に考える

日本の公的医療保険制度は、日本にいると当たり前のように思ってしまうのですが、例えば、米国でもし入院するようなことがあると、全額自己負担ということもあり、自己破産の理由として最も多いのが医療費だと言われています。よって米国はでは、保険会社が扱う医療保険にしっかりと入っておかないと、治療を受けるお金に困ることになり兼ねないわけですが、日本の場合は既にしっかりと守られているので、それでも足りないと思うところを、貯蓄や医療保険でカバーすると良いでしょう。

2-1 公的医療保険制度のしくみ

日本の公的医療保険制度は、①保険診療②先進医療③自由診療の3つに分類されており、通常の医療行為はほぼ①の範囲内で行われています

2-2 保険診療を受けた際の自己負担割合

75歳未満は3割負担(75歳以上の後期高齢者医療保険制度では現役並所得者が3割、一定以上の所得のある方は2割、一般の所得者1割)となっています。

2-3 高額療養費制度

かかる医療費に対する自己負担割合が3割だとした場合、もし仮に入院や手術ををして、300万円の医療費がかかったとしたら、病院から90万円の請求を受けることになるわけですが、90万円の支払いは結構大変ですよね。。でも安心してください。高額療養費制度が用意されていて、実際の自己負担分は、例えば、年収370万円~770万円の方でしたら、1ヶ月あたり約8万円+αの自己負担で済むのです。ただ、前述の例ですと、通常は一旦90万円を支払って、2、3ヶ月後に約82万円が戻ってくる流れより、一旦立て替えて支払う必要がありますので注意が必要です。尚、実際の自己負担割合は、所得や年齢によって違いがありますので、詳しくは厚生労働省のホームページにてご確認くだい。高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

2-4 限度額適用認定証

限度額適用認定証とは、医療費が高額になることが事前にわかっている場合に、自己負担額を一定の金額に抑えるために発行される証明書です。この証明書を入院する際に病院に提示すると、自己負担額で限度額までに減額されることとなり、精算する際に立替する必要がなくなります。尚、限度額適用認定証の申請方法は、加入している健康保険組合(健康保険証に記載、国保の場合はお住まいの市町村国保窓口)に連絡して行います。

日本の公的医療保険制度ってとても充実しているのですね~

SHISHI
SHISHI

そうなんです!なので過剰に不安にことは無いのです

安心しました!

SHISHI
SHISHI

良かったです!

3.貯蓄で賄えるものは貯蓄で

ここでは、「2」でお伝えした、高額療養費制度を前提とした医療費の自己負担分と、医療費以外の自己負担分の準備手段を貯蓄で賄うという考え方についてお伝えします。

3-1 緊急予備資金を確保しておく

何かあったときの備え方(緊急予備資金)として、生活費の6ヶ月~1年分(例えば、月の生活費が20万円だとしたら、120万円~240万円)を、銀行預金などで確保しておけば、「2」でお伝えしたような「保険診療」のみで、社会保障で賄いきれないところは、概ねカバー出来るということになります。よって、緊急予備資金が貯まっていない場合は【医療保険は必要】ということになります。ただ、緊急予備資金目的の貯蓄が出来たときには、必要なくなるかもしれません

3-2 医療費以外の自己負担分(差額ベッド代+食事代+雑費)も賄える?

ここに関しては、入院日数が長くなるケースを想定して考える必要があります。ちなみに、入院が長引くケースにはどんな病気やケガがあるのか?一緒に確認してみましょう。

3-2-1 入院時の自己負担額が多額となる病気やケガとは?

入院が長引く病気やケガの場合、ストレスなく術後の治癒に専念出来る環境を必然的に求めることとなり、自ら個室を選択される方が多いです。ちなみに、筆者の関わった方では、

  ・脳梗塞:95日 ・大腸がん:35日 ・骨盤骨折:45日 ・右足首複雑骨折:33日

という長期の入院をされた方がいらっしゃいます。

3-2-2 差額ベッド代や食事代はいくらかかるの?

差額ベッド代の相場は、病院や部屋の種類によって異なりますが、一般的には以下のようになっています。

  • 個室:1日あたり約1万円~3万円
  • 2人部屋:1日あたり約5千円~1万円
  • 3~4人部屋:1日あたり約3千円~5千円

ちなみに、前述の大腸がんで入院された方は、術後、尿や便が垂れ流しになることから、オムツをしつつ、トイレに頻繫に行く必要性からトイレ付の個室を選択。1日2万円の部屋を選択(費用負担 2万円×35日=70万円)されたようです。

ただし、差額ベッド代は患者さんが希望して利用した場合にのみ請求されるもので、病院側の都合や医学的必要性などで特別室に入室した場合は支払う必要がありません。その場合は、病院側から同意書や説明書などを受け取るようにしましょう。

また、食事代ですが、1食につき460円(1380円/日)なので、前述の方ですと、1380円×35日=4万8千300円かかったということになります。

3-2-3 長期入院した場合の自己負担総額は?

前述の大腸がんの方の場合の概算ですが、

  • 医療費の自己負担:約8万円
  • 差額ベッド代  :70万円
  • 食事代     :約5万円
  • 雑費      :約3万円

  計       :約86万円

ということになります。よって、この86万円という金額を、緊急予備資金内で賄うという考え方であれば、医療保険は必要なし。いやいや、それは医療保険で賄いたいという方は、医療保険は必要ということになるでしょう。

長期入院の場合の自己負担は結構かかりますね~

SHISHI
SHISHI

そうですね、そういったケースも想定して考える必要があります

4.医療保険の保障内容にはどんなものがあるか

4-1 医療保険の基本保障(主契約)とは

医療保険を考える際には、主契約部分と特約部分を分けてみると良いでしょう。さて、その主契約部分についての一般的な保障内容ですが、

①入院給付金

治療を目的に入院した際、1日あたりいくら受け取るか?をこちらで決めることが出来ます。ちなみに概ね3000円~10000円の範囲内で1000円刻みで設定出来るケースが多く最近は5000円にされている方が多いようです。

また、それが何日分受け取れるのか?の選択も出来まして、30日型、60日型、120日型あたりが一般的ですが、中には365日型や1000日を超える商品もあります。ただ、短期入院化が進んでいる中で60日型を選ぶ傾向が強いようです。

尚、ここの定義に関しては、「1入院あたりで連続した入院日数60日分までを保障します」という考え方となりますので、それ以上の長期入院を想定している方は120日型などを選択するということになります。

また、連続した入院の定義についてもお伝えすると、入退院を繰り返すケースも想定されるわけですが、「1回目の入院と2回目の入院の間の日数が何日なのか?」によって、その日数が定められた日数を超えたら、1回目の入院の日数のカウントはリセットされ、2回目の入院の際に新たに1からカウントされるしくみです。

ちなみに、ここの定義が以前は一律180日だったのですが、最近は30日や60日という設定をする商品も出てきておりますので、ここにメリットを感じる場合は、検討する際には確認しておくと良いでしょう。

入院給付金にも様々なパターンがあるのですね

SHISHI
SHISHI

そうですね。連続した入院の定義などはあまり知られておらず、

良く確認しておいたほうが良いところかもしれません

②手術給付金

受けた手術の種類と、入院日額に対しての倍率(5倍、10倍、20倍など)によって受取額が決まる給付金です。尚、対象となる手術の種類は公的医療保険制度の対象となる約1000種類の手術を対象としている商品が多く、また、倍率の設定については選択肢を用意して、契約者が選べるようにしている商品もあれば、最初から決まっている商品もあります。更に、昨今の医療事情を反映して、外来手術のみ手厚く保障出来るタイプの商品も出てきています。

尚、1000種類が対象となると言っても、創傷処置や抜歯など対象とならないものもありますし、保険会社によっても違いがありますので、商品選びの際には注意が必要です。※ネット完結型の場合、この確認が難しいので、ここが気になる方は対面型で相談されたほうが良いでしょう。

4-2 医療保険の特約(オプション)

医療保険には基本保障に加えて、特約(オプション)を付加することができます。ちなみに、代表的なものとして、入院一時金特約、通院特約、先進医療特約、がん特約、特定疾病一時金特約、女性疾病特約、特定疾病保険料払い込み免除特約などがあります。

尚、この特約が保険会社にとって他社との差別化を図れるところで、各社商品開発にしのぎを削っているところになります。よって、上記のネーミングは同じでも、保障内容には違いがありますので、自分にとって必要な保障かどうかを見極めるには、細かいところまで確認しておいた方が良いでしょう

ちなみに、厚生労働省主導で水面下で進められている入院日数の短期化に向けて、病院に対してインセンティブを付与することによる働きかけ(診療報酬に反映さることで患者さんの負担が増える)が進んでおり、そういった背景から入院一時金特約の保障内容を充実させる傾向に現在は進みつつあります。

4-3 医療保険の落とし穴

何のために医療保険に入るのか?について尋ねられたら、「病気やケガで入院や手術を受けたときに、お金に困らないため」と、ほとんどの方が答えるでしょう。しかし、いざ使う場面が来たときに「思っていたほど受け取れなかった」や「出なかった」ということが多々ありまして、僕自身もお客様に対して申し訳ない気持ちになってしまったことも何度かありました。

尚、その理由は、そもそも給付金の支払いの対象になっていない治療だったり、給付金の支払い要件に制限があったり。また、加入時に行う「告知」に漏れや誤りがあったりと様々ですが、結論、医療保険は万能ではないということなので、そういったリスクもある前提で医療保険選びをする必要があります。

5.まとめ

医療保険は入っておくことで安心を得ることが出来ます。一方、万能ではありません。せっかく入っていたのに思ったほど受け取れないなどのリスクも存在します。よって、基本は生活防衛資金で備えておくことを推奨しますが、どうしても自己負担が重くなってしまう可能性がある病気やケガに対しての心配がある場合は、医療保険などの保険で備える

その場合でも、必要な保障の見極めや、必要性のある保障を受けるための要件を、確認する必要があります。尚、その判断が難しい場合は、複数の保険会社を取り扱っている、信頼のおけるファイナンシャルプランナーに相談するようにしましょう。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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